高校教員の給料を生々しく語る(第2話:手当)
【第1話】では、高校教員の給与体系をみました。
今回では、私が獲得している手当についてみていきます。
手当の仕組みとして
兵庫県教育委員会で発表されているホームページは以下です。
そのなかの、関連情報 2その他【給料と諸手当】へ進むと、兵庫県教職員にどのような手当があるかがわかります。
前回の記事で、年間4号給の昇格が基本ではないかと書きましたが、実際その通りのようですね。
参考資料としてはこの辺です。
【兵庫県広報】
手当に区分されないものをまずは先に。
教職調整額
諸悪の根源その1と言える教職調整額。みなし残業代と言えるものです。
給料月額の4/100が貰えます。
これは、教員の日常業務が今ほど多くなかったときから、ずっと給料月額の4/100と定められています。
教員の勤務時間は7時間45分ですから、その4/100は16分48秒です。
16分48秒分のみなし残業代があるので、残業手当はありません。
ちなみに私の学校は8時30分~17時00分が定時勤務ですが、部活動は18時30分に終わり、生徒の下校時刻は19時00分頃になります。
定時になってから2時間ぐらいは帰ることができないのに、残業代は16分48秒までしかつきません。
あと、ココによると教員の超過勤務の一日平均は2時間28分のようです。つまり、教育委員会は、2時間分以上の人件費削減に成功しています。
教員になる人は、残業代がないことは覚悟しておくところです。
給料の調整額
特別支援学校の教職員など、特別な業務を行う教職員に対して加算されます。
給料月額が1割増えるそうです。
手当の一部は給料月額をもとに算出するので、地域手当なども高くなります。
では本題です。
多くの人が関わりそうな手当
扶養手当
扶養親族のいる職員に支給される手当です。
配偶者や父母の場合は6500円、子の場合は10000円支給されるらしいです。
もちろん被扶養者一人あたりで支給されます。
私はまだ本格的に貰ったことはありません。
ここでいう扶養は、税制上の扶養である必要はありません。
例えば、配偶者が転職する際に空白期間ができた場合、その時点において働いていないのであれば、申請して扶養手当を貰うことができます。
おそらく、扶養手当については、高校教員の給与が計算がされる、月末に扶養をしているかが大事です。
手当ではないですが、配偶者が転職する際の空白期間には、申請すれば健康保険の扶養にも入れることができます。
地域手当
地域によって、給料月額の9.4%、6.4%、4.4%が支給されます。
物価の高いところと低いところで働いていた場合、生活にかかるお金が変わるので、その分を手当として支給します。
イメージとしては、神戸→9.4%、姫路→6.4%、北の方→4.4%
といった感じです。
私は4.4%の地域で勤めているはずですが、なぜか数千円高いです。
どこかで改定されているかもしれません。
住居手当
賃貸住宅に居住している場合に支給されます。
算出方法は、家賃が23000円以上の場合は(家賃-23000)/2 +11000円です。
上限は27000円となっていましたが、最近28000円と改定されたと聞いた気がします。
上限が27000円なら、家賃は55000円で手当の上限となります。
どうやら家賃が57000円を超えた場合に28000円の手当となるようです。
ここでいう家賃は、共益費や駐車場は含まれません。
「家賃50000円、駐車場5000円」と「家賃55000円、駐車場0円」の物件を比べた場合、後者の方がお得です。
私は27000円貰っています。
通勤手当
車通勤の場合は、通勤距離に対応した手当が支給されます。私は電車通勤なので分かりませんが、神戸市は以下のようになっています。
電車通勤の場合は、6箇月定期と同金額の手当が、4月と10月に支給されます。
ちなみに部活動で土日に出勤しても、通勤手当はありません。
特殊勤務手当
諸悪の根源その2と言える制度。
教員においては、休日の部活動を行った場合に貰うことができる手当です。
1回4時間以上の勤務をすることで3600円貰うことができます。
最低賃金と同じ額です。練習試合で丸一日勤務しても3600円です。
高体連・高文連が主催していない大会は、丸一日勤務しても練習試合と同じ扱いになります。
高体連が主催する大会は、夏の総体と秋の新人だけですね。
また、2021年からは3300円、2022年からは3000円、そして2023年からは2700円というようになります。これは、部活動の時間が3時間と通達されたことによるところです。
生徒は、「登校して着替えて用具の準備、そして用具を片付けて着替えて下校」を3時間の練習時間内に行うことになります。私が今まで勤務してきた学校で、休日にこれができている運動部は見たことがありません。
あと、正直こんなはした金より、そもそも休日が欲しいです。
義務教育等教員特別手当
職員の区分と号給に対応して支給されます。
だいたい3000円~6000円ぐらいです。
私は4000円台でした。
期末手当
6月と12月に、給料額の1.3月分が支給されます。
今年は1.25箇月分になったそうです。
勤勉手当
6月と12月に、勤務成績によって、
0.920月、1.035月、1.150月分が支給されます。
ほとんどの場合は0.92月です。平均すると0.95月の支給になるそうです。
退職手当
勤めているうちに少なくなっていくと思うので、あくまで目安として。
【山口県の資料】になります。
どこも地方公務員なのでおそらくあまり変わらないでしょう。
15年勤務→給料月額の10月分、応募認定で19月分
20年勤務→給料月額の19月分、応募認定で26月分
25年勤務→給料月額の28月分、応募認定で33月分
30年勤務→給料月額の34月分、応募認定で40月分
35年勤務→給料月額の39月分、応募認定で47月分
といったところですね。勤務年数が増えると給料も上がるので、掛け算で退職手当も上がります。
もちろん、私はまだもらったことがないのでわかりません。
退職手当をあてにしなくてもセミリタイアできるようになったら躊躇なくリタイアしたいです。
一部地域などの人が関わりそうな手当
へき地手当
交通条件がよくない山間地や離島に勤務する職員に対して支給されます。
余暇活動などで余分にお金がかかるから、ということでしょうか。よくわかりません。
場所によって給料月額の3~5%の支給になるようです。
私は勤務したことがないのでよくわかりません。
定時制通信教育手当
定時制高校や、通信制高校に勤務する場合に支給されます。
給料月額の10%のようです。
私は勤務したことがないのでよくわかりません。
産業教育手当
農業、水産、工業の科目を担当する教員に支給されます。
給料月額の10%のようです。
私は資格もないのでよくわかりません
寒冷地手当
毎年11月から3月に、寒冷・積雪の度合いを考慮して支給されます。
扶養親族がいる世帯主は17800円、扶養親族がいない世帯主は10200円、その他は7360円らしいです。
私は支給されたことがありません。
宿直勤務手当
1回で4200円支給されます。
入試業務で宿直があるようですが、支給されたのでしょうか。
私はしたことがありません。
さいごに
つかれた……。
手当って色々あるけど、頑張って調べてみても、微妙に計算がずれてますね。
というより、隠しているのかほとんどの手当がWEB上に存在しません。
これからは、職員会議で配られる手当などの資料は確保しておこうと思います。
計算がずれているところは、今度また事務に聞きたいところです。
諸悪の根源たちを書くときはほんとに憎しみで胸が張り裂けそうでした。
ではまた。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
次は給与から取られていく共済組合掛金あたりを見ていければと思います。