30歳から始めたセミリタイア計画

セミリタイア計画の軌跡を残します('ω')

【ドルコスト平均法は、本当にお得?】資産運用講座(数学編)

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資産運用に興味を持ち始めると、ドル・コスト平均法という言葉をよく見かけます。

 

ドル・コスト平均法の内容はこちらで

SBI証券 ~リスクを減らすために~

(ドル・コスト平均法によって)基準価額が安い時に口数を多く買い、高い時に少なく買うことで、一口当たりの購入価格を下げることが可能です。

 

リンク先の説明では【毎月一定金額購入】と【毎月一定口数購入】で比較しています。 

 しかし、私は疑問に思ってしまいました。

 【毎月一定金額購入】と【毎月一定口数購入】のパフォーマンスは、価格変動の仕方によって逆転したりすることはないのだろうか

というわけで、今日のお話はこちらです。

ドルコスト平均法のお得を、数学で証明する

 

前提条件

今日の記事は数学ⅡBの教科書内容から拡張した公式を使います。

 

使う知識

相加相乗平均によって以下が成り立つことは教科書の通りです。

$$\displaystyle \frac{a+b}{2} \geq \sqrt{ab}$$

これを拡張して、以下が成り立つことは使えるものとします。

$$\displaystyle \frac{a_1+a_2+a_3+…+a_n}{n} \geq \sqrt[n]{a_1 a_2 a_3 … a_n} \quad …① $$

この証明はこちらから→【相加平均と相乗平均の不等式 ~柳田 五夫~

最初の2ページで証明が完了しています。

高校2年生までの知識で証明できていますね。

 

購入の仕方を設定

【毎月一定額購入】→毎月1万円ずつ購入します。

【毎月一定口数購入】→毎月1万口ずつ購入します。

 

どちらも \(n\) ヶ月間購入するとします。

また、\(k\) ヵ月目の1口あたりの値段を \(a_k\) 円とします。

 

毎月一定口数(1万口数)購入の、一口当たりの購入価格 \(B\) 

まずは計算が簡単なこちらから。

 

毎月 \(a_k \times 10000\) 円 を \(n\) ヶ月間購入するので,

購入にかかった合計金額は \((a_1+a_2+a_3+…+a_n) \times 10000\) 円となります。 

 

また、毎月10000口を \(n\) ヶ月間購入するので,

合計で購入した口数は \(n \times 10000\) 

 

したがって,一口当たりの購入価格 \(B\) は次の通りです。

$$\begin{align} \displaystyle B &= \frac{(a_1+a_2+a_3+…+a_n) \times 10000}{n \times 10000} \\\\ &=\frac{a_1+a_2+a_3+…+a_n}{n} \quad (円) \end{align}$$

 

毎月一定額(1万円)購入の、一口当たりの購入価格 \(A\) 

次に計算が少しややこしい定額購入についてです。

 

毎月 10000 円 を \(n\) ヶ月間購入するので,

購入にかかった合計金額は \(n \times 10000\) 円となります。

 

また、 \(k\) ヵ月目購入することができた口数は \(\frac{10000}{a_k}\) だから

合計で購入した口数は \(\frac{10000}{a_1}+\frac{10000}{a_2}+\frac{10000}{a_3}+…+\frac{10000}{a_n}\) となります。

 

 

したがって、一口当たりの購入価格 \(A\) は次の通りです。

$$\begin{align} \displaystyle A &= \frac{n \times 10000}{\frac{10000}{a_1}+\frac{10000}{a_2}+\frac{10000}{a_3}+…+\frac{10000}{a_n}} \\\\ &= \frac{n}{\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\frac{1}{a_3}+…+\frac{1}{a_n}} \\\\ &= \frac{1}{\left( \frac{\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\frac{1}{a_3}+…+\frac{1}{a_n}}{n} \right)} \\\\ &\leq \frac{1}{\sqrt[n]{\frac{1}{a_1}\frac{1}{a_2}\frac{1}{a_3}…\frac{1}{a_n}}} \quad (分母で①の相加平均 \geq 相乗平均) \\\\ &= \frac{1}{\sqrt[n]{\frac{1}{a_1 a_2 a_3 … a_n}}} \\\\ &= \sqrt[n]{a_1 a_2 a_3 … a_n} \quad (円) \end{align}$$

 

まとめ

以上の結果から

【毎月一定額購入】の一口当たりの購入価格 \(A\) については

$$\displaystyle A \leq \sqrt[n]{a_1 a_2 a_3 … a_n} \quad (円)$$

【毎月一定口数購入】の一口当たりの購入価格 \(B\) は

$$\quad \quad \quad \displaystyle B = \frac{a_1+a_2+a_3+…+a_n}{n} \quad (円)$$

 

したがって、①から

$$\displaystyle A \leq \sqrt[n]{a_1 a_2 a_3 … a_n} \leq \frac{a_1+a_2+a_3+…+a_n}{n} = B$$

となるので、

【毎月一定額購入】の一口当たりの購入価格 \(A\) の方が

【毎月一定口数購入】の一口当たりの購入価格 \(B\) よりも安いことが証明されました。

また、等号成立は \(a_1 = a_2 = a_3 = … = a_n\) のときのみです。

 

最後に

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今日は文字や数式多めの難しいお話になってしまいました。

どこに需要があるんだ、こんな話(笑)

 

私が資産運用をするようになったきっかけは、三菱UFJ銀行に住所変更で窓口に行った

ときに、投資を勧められたことです。資産運用に興味はあったものの、難しそうだな

あと思ってなかなか踏み出せなかった私に、基礎の基礎から教えてくれました。

 

三菱UFJさんありがとうございます('◇')ゞ

 

ドル・コスト平均法をはじめ、NISAインデックスファンドバランスファンド

いった言葉に、そのとき初めて出会いました。

 

結局1~2時間ぐらいずっと教えてもらったんですが、そこでは何も契約せず

家で調べて、セゾン投信の口座を開きました。(三菱UFJさんごめんなさい)

 

今はセゾン投信ではなく、SBI証券や楽天証券を主に利用しています。

そして、資産運用を開始し3年のときを経て、三菱UFJのグループになっている

auカブコム証券の口座を開設することになりました。

巡り巡って資産運用で出会いなおすということに、なにか運命を感じます。

 

それではみなさんもよい投資ライフをお過ごしください。

ここまで読んでくださりありがとうございました( ^^) _旦~~